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マルモイ ことばあつめ 感想・実話を基にした韓国映画!世宗大王のハングル文字消滅の危機!?

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戦争・民主化闘争・南北分断関連
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韓国映画「マルモイ ことばあつめ」の概要

韓国映画「マルモイ ことばあつめ」の監督・脚本・観客動員数など

【監督・脚本】オム・ユナ/代表作「タクシー運転手 約束は海を越えて
【制作】2019年公開、ロッテエンタテインメント
【観客動員数】285万人
【公式サイト】https://marumoe.inter-film.com/

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韓国映画「マルモイ ことばあつめ」主なキャストと代表作

俳優・女優(役名) 過去の出演ドラマ・映画
★ユ・ヘジン
(キム・パンス役)
読み書きできない非識字者。
後に、朝鮮語学会のメンバー。
・バラエティ番組「三食ごはんシリーズ
・バラエティ番組「スペイン下宿
・映画「完璧な他人」
・映画「コンフィデンシャル:国際共助捜査」
・映画「コンフィデンシャル/共助
・映画「LUCK-KEY ラッキー」
・映画「タクシー運転手 約束は海を越えて
・映画「1987、ある闘いの真実
★ユン・ゲサン
(リュ・ジョンファン役)
父親が京城第一中学校の理事長で親日派。朝鮮語学会の代表。
・「最高の愛〜恋はドゥグンドゥグン〜」
・「犯罪都市」
・「国選弁護人ユン・ジンウォン」
★ホ・ソンテ
(上田役)
朝鮮総督府国民総力部
・「イカゲーム」
・「怪物」
・「ウォッチャー」
・「親愛なる判事様
★ウ・ヒョン
(イム・ドンイク役)
詩人、言葉集めのメンバー
・「ブレインズ ~頭脳共助~
・「まぶしくて
・「コンビニのセッピョル」
・「コッパダン」
・「師任堂(サイムダン)、色の日記」
★キム・ソニョン
(ク・ジャヨン役)
朝鮮語学会のメンバー
・「輝くか、狂うか
・「彼女の私生活
・「愛の不時着」
・「コンビニのセッピョル」
★キム・ホンパ
(チョ・ガプイン先生役)
朝鮮語学会のメンバー
・「浪漫ドクターキム・サブシリーズ①②
・「ボイス2」
・「元カレは天才詐欺師~38師機動隊~」
・映画「奈落のマイホーム」
★キム・テフン
(パクフン役)
記者、朝鮮語学会のメンバー
・「秘密の扉」
・「優しい男」
・「クンチョゴワン(近肖古王)」

韓国映画「マルモイ ことばあつめ」あらすじ

1940年代、日本統治下の朝鮮半島・京城(現:韓国・ソウル)。

窃盗などで生計を立てていたお調子者のパンス(ユ・ヘジン)は、息子ドクジンの中学の授業料を払うためにジョンファン(ユン・ゲサン)の鞄を盗む。

ドクジンも通う京城第一中学校の理事長を務める親日派の父を持つ裕福な家庭の息子であるジョンファンは、失われていく民族の言語を守るため、父に秘密で朝鮮語の辞典を創作しようとしていた。

日本統治下の朝鮮半島では朝鮮語の使用が規制されており、話す言葉や名前すらも日本式に変えざるを得ない時代だったのだ。

一方のパンスはそもそも学校に通ったことがなく、母国語である朝鮮語の読み書きすら知らない非識字者であった。

朝鮮語学会(現:ハングル学会)代表のジョンファンと出会ったパンスは、辞典作りを通して母国の言葉の大切さを知り、仲間たちと共に各地の方言などあらゆる言葉を集めていく。

しかし、朝鮮総督府による弾圧はますます激しさを増していく。

※ストーリー引用元:「Wikipedia」より

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韓国映画「マルモイ ことばあつめ」視聴した感想・見どころ

「マルモイ ことばあつめ」は日本統治時代の実話の事件!

「マルモイ ことばあつめ」は、日本統治下の朝鮮半島で、実際にあった「朝鮮語学会事件」をモチーフに作られています。

日本統治中の朝鮮半島では、日本語教育が強制的に行われ、韓国語を話すことも、ハングル文字を使うことも憚られるような時代になっていました。

映画では、その時代の様子を、キム・パンス(ユ・ヘジン)の息子は、学校で韓国語を使うことで、罰として叩かれるなどのシーンが描かれています。

実際に、日本語しか使えないように圧迫があったようです。

そんな中、母国語である朝鮮語がこの世から無くなってしまうことを心配した有志が、朝鮮初の言葉辞典制作を密かに行ない、朝鮮語を残そうと努力しました。

この統治時代が長く続くほど、世宗大王が作った「ハングル文字」も、ひょっとしたら、この世から無くなってしまっていたかもしれません。

当時、どのように苦労しながら「朝鮮初の言葉辞典」を作ろうとしたのか?

この時代に抗う活動により起きた「朝鮮語学会事件」を基に、登場人物には架空人物や脚色した出来事を織り交ぜながら、実際にあった事件を映画化しています。

辞書ができるまでの実際の過程

世宗大王が作ったハングル文字とともに、朝鮮語がこの世から消えかけた日本統治時代。

日常会話の言葉や、世宗大王は、貧しい民のために作ったはずのハングル文字が、書くのも、喋るのも許されず、日本語を強いられる生活が続いていました。

特に、太平洋戦争目前に、日本語教育を徹底した取り締まりは激しくなり、日本人名に改名した学生から出兵なども行なわれるような時代へと変化を始めていました。

そんな中で、朝鮮語やハングル文字をこの世から風化させないために、有志が密かに全国から各地方で使われている言葉(方言)を集めながら辞典の基になる資料を作り続けます。

しかし、学校で朝鮮語を話しただけでも罰があるという世の中で、朝鮮語を守ろうとする活動が認められるわけがありません。

ついに、朝鮮語で出版できる最後の本となり、その本には、「各地方の言葉を送って欲しい」との広告を出したところ、読者から1通も届くことはありませんでした。

実は、逓信局には、総督府の命令で、朝鮮語学会に届く手紙をすべて総督府に差し出すように命令があったというのです。

そのため、一部を総督府に持っていき、逓信局の倉庫には、全国から届いた山のような手紙を隠しておいてくれたものがあり、後日、密かに朝鮮語学会に渡してくれたということがありました。

その手紙には、「集める言葉」のほかに、寄付金も入っていたものがあったようです。

しかし、このような活動も長く続けられることはなく、結局、1942年10月、朝鮮語学会の会員を罪に問い検挙、投獄した事件に発展し、

この時拘束された約33人のうち、監獄で拷問と寒さと飢えによって2名が亡くなり、

11名は咸興地方裁判所でそれぞれ懲役2年から6年までの判決を受けました。

この事件のあった1942年に、警察に押収され行方が分からなくなっていたはずの朝鮮語辞典の原稿が、

1945年終戦後、朝鮮が独立した後に、ソウル駅朝鮮通運倉庫で、2万6500余枚に及ぶ原稿が発見されたことから、『朝鮮語大辞典』の制作に至ることができたという経緯があります。

この大辞典の原稿作りには、地方により、方言の違いがあることから、どの言葉を標準語として載せるか?なども公聴会を開いた結果が反映されており、映画でも、密かに行う公聴会が再現されています。

「国土の次に奪われるのは、われらの精神だ!」

という時代を描くため、シーンによっては、反日感情の描写も多いので、観たくない人もいるかもしれません。

「マルモイ」ってどんな意味?

映画のタイトルの「マルモイ」って、どんな意味なのでしょうか?

韓国語で「マル」は「言葉」、「モイ」は「集め」といった意味があります。

映画の字幕では、「辞典」に対して「マルモイ」というルビが打たれていたり、

「我らの言葉」を「ウリマル」との読み方が書かれています。

これらの発音にも、方言も合わせれば、異なる音がいろいろあるのかもしれません。

また、韓国ドラマを視聴する際、日本語の漢字の熟語(音読み)と同じ読み方の単語を耳にすることがよくあります。

これは、漢字の音読みによる同じ発音をするのかと思っていましたが、どうやら、この当時の日本語教育の名残による「日本語の単語」が残っているから・・・だそうです。

「三食ごはん」のユ・ヘジンとユン・ゲサンが出演

「三食ごはん」などで、いつもコミカルで笑いを誘うキャラのユ・ヘジンですが、この映画では、バラエティ番組で観れないユ・ヘジンの表情が見られます。

最初のうちは、ユ・ヘジンのキャラを十分に発揮した自然な演技で、笑いも取りながらの場面も多いですが、徐々に、深刻な状況になることで、ユ・ヘジンの表情もどんどん変わっていきます。

ユ・ヘジンが演じるキム・パンスは、字が読めず貧しくてお金に困っている父親で、家族が生きていくためなら、窃盗でも何でもして稼ごうとしますが、庶民的な人情味溢れる明るい人物を演じています。

文字の読み書きができないキム・パンス(ユ・ヘジン)を通して、文字が読める喜びや便利性、言葉は民族の精神であること、同じ言葉にも地域によって方言があり発音が異なること、言葉には成り立ちがあることなど、

失ってはいけない母国語の有難さや重要性を視聴者も一緒に感じ取れるように描かれています。

映画のクライマックスからは、キム・パンス(ユ・ヘジン)も、命がけで「朝鮮語を守る」だけの価値があるという使命感を抱き始めます。

このユ・ヘジン演じるキム・パンスの存在があってこそ、当たり前に母国語を使う現代人に、「生まれ育った母国の言葉や文字の大切さ」を一緒に考える機会にしてほしい、

という思いが映画に込められているように感じられます。

後半では、涙を誘う重要な役割の場面があり、笑いは得意でも、涙はどこまでそそることができるか?ユ・ヘジンの演技の魅せどころと言えます。

一方で、主役ユン・ゲサンは、「三食ごはん」にゲスト出演した時には、チャ・スンウォンとユ・ヘジンに騙されても、いつもニコニコ顔のキャラでしたが、

映画では、ユ・ヘジン演じるキム・パンスを、冷ややかに見る眼差しが多く、非常に知的で正義のために自分を犠牲にする真面目な青年を演じています。

二人の日常の関係性と、映画でのギャップを見ることで、二人の表情や掛け合いが面白く見えてきます。

日本と朝鮮半島との間に、実際に会った歴史の1ページ。

過去の歴史、言葉にまつわるストーリーなどに、ご興味ある方は、ぜひ、ご視聴されてみてはいかがでしょうか。

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