第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門・最優秀男優賞を受賞した韓国俳優ソン・ガンホ。
日本では、韓流ファンでなければ、あまり知られていないのではないかと思いますが、韓国俳優ソン・ガンホって、どのような俳優なのでしょうか?
是枝裕和監督の日韓共同作品『ベイビー・ブローカー』と合わせて、ぜひ、見て頂きたいソン・ガンホ出演映画5選をご紹介します。
韓国俳優ソン・ガンホとは?
ソン・ガンホの活動について
ソン・ガンホといっても、日頃、韓国ドラマしか見ていない人には、あまり聞きなれない俳優かもしれませんね。
ソン・ガンホは、映画俳優で、ドラマには出演されていないのです。(2024年、ディズニープラスのオリジナルドラマ『サムシクおじさん』のみドラマ出演)。
映画では、人情味のある演技が得意で、主演を務めても、決してカッコイイ役どころを演じる主演俳優ではなく、スクリーンには、人間の様々な心情を見事に描き出すのが上手と言えます。
その演技力が、是枝裕和監督の映画『ベイビー・ブローカー』でも、十分に発揮され、受賞へとつながったのだと思います。
是枝裕和監督は、撮影中のソン・ガンホの演技について、人間が持つ「聖と俗」、「善と悪」のような両方な心境を、上手に切り替えて表現できる素晴らしい俳優だとインタビューで褒めていました。
韓国映画でも、ソン・ガンホが主演を務める映画は、数々の賞を受賞しており、
ソン・ガンホの演技力が受賞に貢献するのか?
受賞しそうなほどの監督・作品を選んで出演しているのか?
その両者なのか?
というほど、ヒット作に出演していますね。(※参考:「韓国映画・観客動員数ランキング」)
だから、ソン・ガンホ出演でまだ観てない作品を見つければ、すぐにでも観たくなる韓国映画界イチ押しの魅力を感じさせる俳優です。
今回、映画『ベイビー・ブローカー』は、そんなソン・ガンホに、数年前、是枝裕和監督作品に出て欲しいとの話があり、約束が果たされ、公開になったそうです。
ベイビー・ブローカーのように、母親が赤子を捨てるのは、韓国の方が日本の10倍も多い数字であることから、舞台は、日本より、韓国にした方が、よりリアリティがあると判断したそうです。
ソン・ガンホの独特の演技力は、2019年映画「パラサイト半地下」がアメリカのアカデミー賞作品賞受賞にも貢献しており、映画『ベイビー・ブローカー』も、カンヌで 最優秀男優賞を受賞するなど、観る前から期待値が高い作品と言えます。
ぜひ、劇場に足を運んで観たいですね~。
映画「ベイビー・ブローカー」女優IUさんの抜擢について
この映画「ベイビー・ブローカー」に出演している女優IUさんは、シンガーソングライターとしても人気です。
特に「麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~」では、主演俳優のイ・ジュンギから、「俳優には見られない、シンガーソングライター・プロデューサーとして活躍しているからこその独特な感覚の役作りが、勉強になった!」
との評価がされ、動画配信サービスでは、常に、ランキング上位の期間が数年間継続するほどの人気作品となりました。
是枝裕和監督も、女優IUさんの抜擢に、「マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~」を観て、涙が止まらない演技力だったから、オファーしたことをインタビューで語っていました。
最高の役作りが魅力の韓国俳優と女優のコンビが、どのような感動を与えてくれるのか?
映画「ベイビー・ブローカー」については、こちらの動画サービスでご視聴いただけます。
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韓国俳優ソン・ガンホ主演映画のおすすめ作品
映画「パラサイト半地下」(2019年公開)
【監督・脚本】ポン・ジュノ
【観客動員数】1031万人
この作品は、ソン・ガンホが主演でありながら、あまり目立った役どころではありません。
誰が主演では無く、出演者・脚本・監督・スタッフたちの総合力の作品と言えます。
格差社会の中で、半地下という建物で暮らす家族の夢やあこがれと、かけ離れた日常を、見事に、面白おかしく表現しながら、
出演俳優・女優たちが、人間心理を巧みな演技で競演しているので、まさに、数多の作品賞受賞なのが納得できる作品です。
登場人物たちのハラハラどきどきするシーンに観客側も引き込まれ、次々と起こる予想外の展開が驚きと笑いを誘います。
見終わるまでに、「様々な仕掛けがある」ことに気付けば、もう一度、確認のため見たくなること間違いなしの映画です。
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映画「弁護人」(2013年公開)
【監督・脚本】 ヤン・ウソク、【脚本】ユン・ヒョンホ
【観客動員数】1,137万人
この映画「弁護人」は、韓国の故盧武鉉元大統領の若い頃の実話を映画化したものです。
最初は、高卒で独学により弁護士となり、お金のために働いていた学歴の低い弁護士が、無実の若い学生たちの人権を守るため、成功して得たすべてを手放してでも救おうとした実話で、
故盧武鉉元大統領の人柄や、人権を守りたいという信念が芽生えたいきさつなどが表現されており、韓国国民としては、とても興味深い映画であったことは間違ないでしょう。
この映画を公開する時には、すでに、故盧武鉉が自殺をした後だっただけに、注目度も高く、観客動員数も、かなり伸ばしました。
その故盧武鉉を演じたのが、俳優ソン・ガンホ。
低学歴で、営業利益主義で、高学歴な弁護士から冷ややかな目で見られるような立場だった人が、ラストシーンには、思いもよらないほどの信頼と尊敬の念を集めるまでの弁護士に成長します。
この裁判が、故盧武鉉を、大統領への道を切り開き、そして、そのため、自殺に追い込まれてしまう展開へとなった始まりだと思うと、人生を考えさせられるようなエピソードです。
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映画「観相師」(2013年公開)
【監督】 ハン・ジェリム、【脚本】 キム・ドンヒョク
【観客動員数】913万人
韓国では、ドラマでも多く描かれることの多い「首陽大君(後の第7代朝鮮王)」の時代を描いた映画です。
首陽大君とは、第4代朝鮮王世宗の次男で、王座を継いだ長男の第5代朝鮮王文宗が在位2年で崩御し、その長男端宗が11歳で即位しますが、
王妃も大妃もいないため摂政ができず、大臣が政治をサポートせざるを得ない状況に、王権が失墜することを心配し、
叔父にあたる首陽大君が、癸酉靖難のクーデターを起こし、第7代朝鮮王になった人です。
クーデターの成功と王座に就くために、多くの大臣と実の弟を殺し、譲位後には、廃位した端宗も殺した非常に冷酷で暴君な王のイメージがあります。
この映画では、それなりに山奥で幸せに暮らしていた観相師(役:ソン・ガンホ)が、都で一旗揚げようと観相で商売をし、繁盛しているときに、
クーデターを起こす前の首陽大君に、「クーデターが成功しそうかどうかを観相して欲しい」と、たのまれることから、人生が一転してしまうストーリーです。
ラストシーンで、自分は「観相ばかりして、風を見るのを忘れていた。波は、風が起こすものなのに・・・。」
と、ひとこと語る言葉が、この映画の奥深さを感じさせ、観終わった後、いつまでも余韻を残します。
ソン・ガンホだからこそ、この味わい深さがあったように感じました。
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映画「王の運命-歴史を変えた八日間」(2015年公開)
【監督】 イ・ジュニク、【脚本】イ・ソンウォン、チョ・チョルヒョン、オ・ソンヒョン
【観客動員数】624万人
この映画は、第21代朝鮮王の英祖(ソン・ガンホ)が、世継ぎである世子を米櫃に入れて餓死させるという妙な処刑方法で、自らの息子を殺したという実話を基に描いた作品です。
時代考証90%以上と言われる真実の中に、何が描かれるのか?
韓国ドラマ史劇ファンは、期待の多きな作品となりました。
また、思悼世子役の俳優ユ・アインは、韓国ドラマでも、視聴率の高いドラマを連発する名俳優で、だんだんと精神的に追い詰められていく様子を見事に演じ、
殺すしかないと考えた英祖(ソン・ガンホ)が、国の将来を考えての決断だったことをしみじみと感じさせるラストシーンの語り口調に共感してしまいそうになるほど、「さすが!ソン・ガンホ」という余韻の残し方が上手いです。
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映画「タクシー運転手 約束は海を越えて」(2017年公開)
【監督】 チャン・フン、【【脚本】 オム・ユナ
【観客動員数】1200万人以上
この映画は、1979年10月26日が朴正煕大統領が暗殺され、12月にクーデターにより、権力を握った新軍部勢力が、民主化運動を弾圧しようとした中で起きた実話の「光州事件」を描いた作品です。
「光州事件」は、閉鎖された地域の中で、残虐に行なわれ、他の地域、他国では、このような悲惨な行為が行われていることを知りませんでした。
それを世間に知らしめようと、協力してくれたドイツ人記者ピーター(モデルとなった人物:ユルゲン・ヒンツペーター)と、そのドイツ人記者を、何も知らずに、光州に送り届けようとしたタクシー運転手(ソン・ガンホ)を中心に描いたストーリーです。
ただお金を稼ぎたかっただけのタクシー運転手が、悲惨な状況に巻き込まれ、徐々に、事件を知らせなければいけない使命感を得ていく心の変化を見事に演じたのが、ソン・ガンホになります。
ソン・ガンホ出演映画の中でも、最も、観客動員数の多かった注目作品になります。
フィクションも織り交ぜながらのストーリーなので、真実とフィクション、事件の経緯・詳細などは、こちらの記事からご覧下さい。
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まとめ
こうしてソン・ガンホの出演する代表作品の映画を5つ選んでみると、どれも実話を描いたものが多く、韓国内では関心の高いテーマであることが分かります。
みんなが知っている人物であるだけに、イメージが違えば、評価も下がることでしょう。
ところが、どれも韓国内の観客動員数1000万人を超えるほどの評判が高いものが多いのは、やはり、ソン・ガンホの実在人物のイメージを壊すことなく、
その時代背景の人々の心情を上手く表現するのに長けている俳優であると感じます。
是枝裕和監督の最新作『ベイビー・ブローカー』も、ぜひ、観てみたい作品ですね。
※U-NEXTのポイントでは、映画館でのチケット購入にも利用できます。
U-NEXT31日間無料視聴を利用して、「ソン・ガンホ出演映画」「是枝裕和監督作品」を視聴しながら、映画館に最新作を見に行くと、お得感満載です!
《追記2023年1月》
「ベイビーブローカー」が、U-NEXTで有料作品として登場しています。(視聴ページはこちら!)
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