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朝鮮王朝後期の王族系図(荘献世子から純宗まで)~安東金氏の勢道政治

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安東金氏

朝鮮王朝後期は、親から子へ自然な王位継承が行なわれずに、非常に、分かり難いので、 荘献世子から純宗まで王族系譜を図にまとめてみました。

すると、第23代王純祖の正妻である純元王后」(新安東金氏を迎えた後、新安東金氏の勢道政治が始り、

一方で、新安東金氏を牽制するために神貞王后趙氏を正室に迎え、妻の実家・豊壌趙氏の人物を重用した孝明世子をはじめ、ほとんどの王子・王女が不自然なほど、若くして夭逝しています。

そのため、すでに、王位継承権を失っている外戚から養子を迎え、

純元王后が垂簾聴政を行なうことで、新安東金氏が一層勢力を伸ばしていった構図がよく分かります。

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朝鮮王朝後期の王族系譜(荘献世子から純宗まで)を図で見る!

朝鮮王朝・後期の王族系図( 荘献世子から純宗まで)分かりやすく図解

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朝鮮王朝後期の王族系譜(荘献世子から純宗まで)の図の補足説明

荘献世子(思悼世子)

第22代王正祖の父。(サイト内記事:思悼世子の米櫃事件⇒

【正室】

献敬王后
(恵慶宮洪氏)
・長男:懿昭世子 (李琔) ※2歳で夭逝。
・次男:正祖(李祘) ※第22代国王(在位:1776年-1800年)

▶恵慶宮洪氏は、仁穆王后の貞明公主の次男 洪萬容の玄孫に当たるため、
22代 正祖、23代 純祖、24代 憲宗は、第14代国王 宣祖と仁穆王后の血筋でもある。
▶洪国栄、元嬪洪氏(洪国栄の妹、正祖の側室)も、遠戚になる。(14代王宣祖と仁穆王后の娘の貞明公主の三男の洪萬衡の来孫。)

【側室】

粛嬪林氏 恩彦君 (李䄄) ※第25代国王哲宗祖父
恩信君(李禛) ※養子を迎えた理由:子が無く、南延君李球(第16代国王仁祖の三男 麟坪大君の子孫)を養子にした。なお南延君の孫は第26代国王高宗
▶洪国栄が恩彦君の息子の常渓君を正祖の後継者に据えようとした事件が露見したことで、常渓君は1786年に処刑され、恩彦君は江華島に流刑となった。
▶カトリック信者である夫人宋氏が1801年の辛酉邪獄で殉教し、恩彦君も連座して死薬を賜った。
景嬪朴氏 恩全君 (李禶)

▶子が無く、異母兄 恩彦君の四男・豊渓君李瑭を養子にした。

守則李氏 不詳

荘献世子思悼世子が登場する韓国ドラマ映画

大王の道』(1998年/MBC)配役:イム・ホ
『イ・サン』(2007年〜2008年/MBC)、配役:イ・チャンフン
『正祖暗殺ミステリー8日』(2007年/CGV)、配役:チョ・ハンジュン
『風の絵師』(2008年/SBS)、配役:キム・ウォンソク
『ペク・ドンス』(2011年/SBS)、配役:オ・マンソク
『秘密の扉』(2014年/SBS)、配役:イ・ジェフン
映画『王の運命 -歴史を変えた八日間-(原題:思悼)』(2015年)、配役:ユ・アイン

第22代王正祖(イ・サン)

【正室】

孝懿王后 金氏 正祖との間に子がなかったため、後宮のひとり綏嬪朴氏が産んだ李玜(後の純祖)を養子とした。

▶祖父金道済が、第18代国王顕宗の正妃明聖王后の甥にあたる。

▶従姉妹は李祘の実母恵慶宮洪氏の弟洪楽倫と結婚し、王室と二重三重の姻戚関係を持つ。

【側室】

宜嬪(昌寧成氏) ・文孝世子 ※5歳で早世。
・王女 生後2カ月で早世。
・第3子の出産を控えて死去。
▶韓国ドラマ「イ・サン」のソン・ソンヨンのモデルにされた人物。
景祐宮顕穆綏嬪 第23代王純祖(李玜) を産むが、正室に子が無かったため、孝懿王后 金氏の養子になり、その後、李玜は国王となる。
仁淑元嬪 洪国栄の妹、孝徽宮の宮号は後日廃止。
和嬪 ・王女を産むが、早世。

第22代王正祖イ・サンが登場する韓国ドラマ映画

『イ・サン』(2007年-2008年、MBC)配役:パク・チビン(子役)、イ・ソジン
『風の絵師』(2008年、SBS)配役:ペ・スビン
『チョン・ヤギョン〜李氏朝鮮王朝の事件簿〜』(2009年-2010年、OCN)配役:ソン・ヨンギュ
映画『王の涙 -イ・サンの決断-』(2014年公開)配役: ヒョンビン

(サイト内記事⇒『安東金氏一族の勢道政治が始まった経緯を分かりやすく解説!』)

安東金氏一族の勢道政治が始まった経緯を分かりやすく解説!
安東金氏一族の勢道政治が始まった経緯を分かりやすく解説!遡ると、荘献世子の米櫃事件により『時派』と『僻派』に分かれて党争し、お互いに相手を粛正する繰り返しから、安東金氏一族が反対派がいない政権を樹立。まだ政治の行なえない幼少の王の垂簾聴政で独裁政治を繰り返す中で、国が荒れ放題、反乱などが増していった様子が分かります。

第23代王純祖

【正室】

純元王后 孝明世子※享年22(満20歳没)、王子(後の憲宗)、養子(孝明世子の死後に、神貞王后趙氏(孝明世子の正室)興宣君の計略で、李応《興宣大院君》の次男命福《後の高宗 26代国王》を王に即位させるため養子にした。)
・大君 ※早世。
・明温公主
・福温公主
・徳温公主
養子 哲宗 第25代国王。(養子になったことで、家系譜上は、第24代国王憲宗の叔父に位置することになる。)▶孝明世子は、1812年王世子に冊封され、1819年10月嘉礼を挙げた。1827年父・純祖の命により代理聴政をして、安東金氏の勢道政治を牽制し、妻の実家・豊壌趙氏の人物を重用したが、3年後の1830年に没した。享年22(満20歳没)。▶哲宗を養子にした経緯は、第24代国王憲宗(純祖の孫で、孝明世子の息子)が後嗣なく薨去したため、安東金氏が権力を維持するため豊壌趙氏一派が王位を立てる前に、江華島にいた憲宗の親戚となる元範(後の哲宗)を宮廷に呼び入れ、徳完君に冊封し、第25代国王哲宗に即位させた。哲宗には、政治に対する知識がなく、年も若いという理由で、大王大妃となった純元王后が垂簾聴政を始めた。哲宗はその3年後に親政をしたが、一切の権力は勢道政治勢力である安東金氏に握られていた。

【側室】

淑儀 朴氏 ・永温翁主※唯一の庶子女。病気がちで、12歳で亡くなる。

※純祖は、王后との間に2男3女、朴氏との間に1女、合わせて2男4女を儲けたが、息子の孝明世子が孫にあたる憲宗を残して早世。憲宗の娘2人(純祖からみて曾孫)も夭折。純祖の娘たちも子供が早世したり、未婚のまま死去したりと、子孫を残せなかったため、純祖の子孫は現在に伝わっていない。また、孫の憲宗の死去により、父・正祖の男系子孫も断絶した。

第23代純祖が登場する韓国ドラマ映画

『雲が描いた月明り』(2016年/KBS)、配役:キム・スンス

第24代王憲宗

朝鮮王第22代正祖の直系の曾孫。(祖父:第23代王純祖、実父:孝明世子)

憲宗は、8歳(数え年)の年で即位した。年が幼いことから大王大妃の純元王后(憲宗の祖母、安東金氏一族)が7年間垂簾聴政をしたが、15歳になった年に親政を開始した。

社会の不安から国王の廃位をねらった謀反事件が2度(1836年、1844年)にわたり発生。

この1844年の時に、閔晋鏞が再び恩彦君の孫(懐平君)を国王に推戴しようと画策。謀反は、いずれも失敗し、懐平君は、死賜。

憲宗自身も、9年間の親政期間、安東金氏と豊壌趙氏の権力争いに巻き込まれた1849年6月、23歳(数え年)で薨去。

【正室】

孝顕王后
※15歳で早世
・子どもなし
孝定王后
※継妃
・王女 ※早世

【側室】

慶嬪金氏 ・子どもなし
淑儀金氏 ・翁主(庶子の王女)早世

第24代王憲宗が登場する韓国ドラマ・映画

映画『風水師 王の運命を決めた男』(2018年公開)配役:イ・ウォングン
映画『王の預言書』(2018年公開)配役:チョン・ヘイン

第25代王哲宗

初名は元範(ウォンボム)。父全渓大院君と共に、連座して江華島へ流されていた。

荘献世子の側室の庶子恩彦君が祖父。 実父は恩彦君の第七子全渓大院君と生母は妾の龍城府大夫人廉氏で、恩彦君の庶子となる。異母兄弟に、正妻の完陽府大夫人崔氏長男の懐平君李元慶(1827年 – 1844年)と次男の永平君李元羲(後に李昱・李景応と改名、1828年 – 1902年)がいる。

異母兄弟の懐平君は、1844年10月17日(第24王憲宗の時代。)に、閔晋鏞が懐平君を朝鮮国王に推戴する陰謀が露見したことで、賜死により16歳で卒去している。

憲宗が後嗣のないまま死去すると、大王大妃の座にいた純元王后(純祖の王妃、安東金氏一族、憲宗の祖母)は、安東金氏が権力を維持するために、王大妃(神貞王后、豊壌趙氏一族、憲宗の実母)が豊壌趙氏一派を王位に立てる前に、江華島にいた憲宗の再従叔父となる元範(後の哲宗)を宮廷に呼び入れ、徳完君に冊封し、第23代純祖と純元王后の養子にすることで、元範(後の哲宗)を第25代王に即位させた。

引き続き、大王大妃(純元王后)による垂簾聴政が行われ、哲宗の時代は、安東金氏一族の勢力がさらに強まり、一切の権力は勢道政治勢力である安東金氏に握られていった。

哲宗には、安東金氏の勢力を抑え対抗する力はないことを悟り、酒色にふける中、1863年12月、在位14年、33歳(数え年)で後継者のないまま死去する。

【正室】

哲仁王后金氏 ・元子李隆俊※1歳で夭逝。

【側室】

貴人朴氏 ・王子※夭逝。
貴人趙氏 ・王子※夭逝。
・王子※夭逝。
淑儀方氏 ・翁主※夭逝。
・翁主※夭逝。
淑儀范氏 ・永恵翁主
淑儀金氏 ・翁主※夭逝。
宮人李氏 ・王子※夭逝。
・翁主※夭逝。
宮人朴氏 ・翁主※夭逝。

※5男6女は子供を残すことなく夭折、10代まで生き残ったのは永恵翁主1人のみだった。その永恵翁主が14歳(数え年)で子女無く死去したことにより、哲宗の直系子孫は断絶した。

 

第25代王哲宗が登場する韓国ドラマ映画

『Dr. Jin』(2012年、MBC)- 配役:キム・ビョンセ
『哲仁王后 』(2020年、tvN) – 配役:キム・ジョンヒョン
『風と雲と雨』(2020年、TV朝鮮)- 配役:チョン・ウク

第26代王高宗/大韓帝国初代皇帝

【正室】

明成皇后
※日本人と、朝鮮親衛隊・朝鮮訓練隊・朝鮮警務使、高宗の父興宣大院君派ら反閔妃朝鮮人により暗殺される。
・第1子男子を死産
・第2子女子生後数カ月で早世
・第3子男子生後数日で早世。(鎖肛の奇形)
・第4子純宗(大韓帝国第2代皇帝、高宗の長男、子どもができない病気)
・第5子男子生後数カ月で早世

【側室】

純献皇貴妃嚴氏 英親王 李垠(皇太弟)、高宗第七皇子、日本の皇族・ 梨本宮方子と結婚、1910年(明治43年)に行われた日韓併合によって王世子となり、高宗、純宗、皇后とともに王族として日本の皇族に準じる待遇を受ける。
1926年(大正15年)の純宗の薨去に伴い李王家を承継。日本の敗戦後、1947年(昭和22年)5月3日の日本国憲法施行に伴う王公族制度廃止により李王の身位を喪失。皇帝への即位はなかったが、朴正煕の許可を経て王家の宗廟である永寧殿に「懿愍太子」の諡号で位牌が納められた。
永保堂 貴人李氏 完親王李墡(完和君、高宗の庶子長男
※1880年永保堂 貴人李氏が急死。その子完和君李墡(12歳)も変死(閔妃による暗殺説が濃厚)。
貴人張氏 ・義親王 李堈(高宗の五男)
内安堂 貴人李氏 ・子どもなし
宝賢堂 貴人鄭氏 ・皇子 李堣
福寧堂 貴人梁氏
(徳寿宮の厨房で働く下級女官)
徳恵翁主、徳恵翁主は、1925年(大正14年)3月に12歳で日本内地に渡り、同年4月から東京の女子学習院に編入学する。日本では徳恵姫(とくえひめ)と呼ばれた。1931年(昭和6年)5月8日に旧対馬藩主・宗家の当主である伯爵宗武志と結婚。
光華堂 貴人李氏 ・皇子 李堉
三祝堂 尚宮金氏 ・子どもなし
貞和堂 尚宮金氏 ・子どもなし
宮人廉氏 ・子どもなし
宮人徐氏 ・子どもなし
宮人金氏 ・子どもなし
宮人張氏 ・子どもなし

※「皇女 李文鎔」は、生母が不明。

※1863年12月8日に哲宗が32歳で死去。哲宗の子は娘1人だけで、息子5人は全員夭折していたため、直系の世継ぎ候補がいなかった。

そのため傍系王族の誰かを王位につける必要が生じ、当時李王家一族の最年長で、世子(跡継ぎ)が決められていない場合の王位継承の決定権を持っていた神貞王后趙氏は李応(興宣大院君)と謀り、

応(興宣大院君)の次男命福(後の高宗)を自分と亡夫孝明世子(憲宗の父)の養子にした上で、12月13日に即位させた。そのため、形式上、高宗は哲宗の叔父にあたる。

即位時、高宗は11歳であったため、即位後2年間は神貞王后が垂簾聴政を執ったが、李応が興宣大院君(「大院君」は、王の実父が王ではなかった場合に王の実父に与えられる称号)に封ぜられたことで、政治の実権を興宣大院君が掌握した(大院君執政期)。

第26代王高宗大韓帝国初代皇帝が登場する韓国ドラマ映画

『明成皇后』(2001年/KBS) – 配役- イ・ジヌ/(幼少期)イ・ジュン
『済衆院』(2010年/SBS) – 配役:チェ・ジョンファン
『Dr.JIN』(2012年/MBC) – 配役:イ・ヒョンソク
『朝鮮ガンマン』(2014年/KBS) – 配役:イ・ミヌ
『ミスター・サンシャイン』(2018年/tvN) – 配役:イ・スンジュン
『緑豆の花』(2019年/SBSドラマ)配役:イ・チャニョン
『風と雲と雨』(2020年/TV朝鮮ドラマ)配役:パク・サンフン
映画『ラスト・プリンセス 大韓帝国最後の皇女』(2016年公開)配役:ペク・ユンシク

大韓帝国第2代皇帝純宗

【正室】

純明孝皇后閔氏 ・子どもなし

【側室】

純貞孝皇后尹氏 ・子どもなし

※純宗には子がなかったため、皇太子には異母弟の英親王(李垠)が冊立された。

※1907年、高宗がハーグ密使事件により日本の意を受けた李完用らに迫られて純宗に譲位し即位をしましたが、日本の支配下にあり、名目上の皇帝に過ぎませんでした。

※第三次日韓協約によって、日本は韓国統監府の機能を強化し、国政への干渉を始め立法権・司法権などに干渉出来るようにしました。韓国軍は解散。

※隆熙4年(1910年)8月22日、日韓併合条約を調印。

※1910年大韓帝国は滅亡。日本の朝鮮総督府の統治下に入った。

※純宗の在位期間1907年7月20日 – 1910年8月29日。

※当時の王室医師や、王家一家と交流のあった人達が、純宗には軽い知的障害があったと記録している。

大韓帝国第2代皇帝純宗が登場する韓国ドラマ映画

『明成皇后』(2001年/KBS) – 配役-ペク・スンウ

※記事参考:【Wikipedia】より

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