韓国映画「シルミド」の概要
韓国映画「シルミド」の演出・脚本・視聴率など
【監督】カン・ウソク/代表作 映画「古山子 王朝に背いた男」、映画「韓半島 -HANBANDO-」、映画「黒く濁る村」
【脚本】キム・ヒジェ
【制作】2003年公開
【観客動員数】1108万人(※歴代観客動員数ランキング上位)
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韓国映画「シルミド」主なキャストと代表作
俳優・女優(役名) | 過去の出演ドラマ・映画 |
★アン・ソンギ (チェ・ジェヒョン役) 韓国空軍准尉 |
・映画「光州5・18」 ・映画「ディヴァイン・フューリー/使者」 ・映画「第7鉱区」 ・映画「ザ・タワー 超高層ビル大火災」 |
★ソル・ギョング (カン・インチャン役) 684部隊第3班長 |
・映画「1987、ある闘いの真実」 ・映画「西部戦線1953」 ・映画「監視者たち」 ・映画「殺人者の記憶法」 ・映画「ザ・タワー 超高層ビル大火災」 |
★ホ・ジュノ (チョ2曹役) 韓国空軍兵 |
・「仮面の王イ・ソン」 ・「朱蒙」 ・「スノードロップ」 ・「キングダム2」(Netflix) ・映画「国家が破産する日」 |
★チョン・ジェヨン (ハン・サンピル役) 684部隊第1班長 |
・「ジャスティス-検法男女-」 ・映画「感染家族」 ・映画「王の涙-イ・サンの決断-」 ・映画「殺人の告白」 ・映画「黒く濁る村」 |
★オム・テウン (ウォンサン役) 684部隊隊員 |
・「剣と花」 ・「善徳女王」 ・「魔王」 ・映画「建築学概論」 ・「7級公務員」 |
★カン・ソンジン (チャンソク役) 684部隊炊事係 |
・「チャン・ヨンシル」 ・「朝鮮ガンマン」 ・「ジキルとハイドに恋した私」 ・「クンチョゴワン(近肖古王)」 ・「神様がくれた14日間」 |
韓国ドラマ「シルミド」あらすじ
北朝鮮の工作員による韓国大統領暗殺未遂事件をきっかけに、北朝鮮の最高指導者金日成を暗殺するための極秘特殊部隊がシルミド(実尾島)で結成された。
彼らは目的を遂行するために、死傷者を出しながらも3年間厳しい訓練に耐え続けた。
そして、生きた『殺人兵器』に育てられた彼らが北朝鮮への潜入を敢行しようとした矢先、劇的な南北和解ムードの到来により作戦が中断。
情報部は用済みになった部隊の抹殺を決意し、非情な命令を下した。
※ストーリー引用元:「Wikipedia」より
【韓国映画シルミド】
あらすじ《ネタバレ》と史実に基づく流れ・映画と事実との違い
684部隊の結成
1968年1月21日、北朝鮮のゲリラ部隊が、韓国のパク・チョンヒ大統領(朴正煕)をねらって、大統領府(青瓦台の大統領官邸)への襲撃を試み、失敗するところから始まる。
同時に、後に、シルミドに連れて行かれるヤクザ役のカン・インチャンが、殺人未遂を犯し、警察に追われ、逮捕されて死刑を言い渡される場面が交差する。
父親は、スパイとして逮捕された剣道師範のカン・ミノで、裁判中に脱走して北に渡ったたため、高校進学を諦め、就職もできずに暴力団になったという経歴。
このまま死刑になるよりも、父親の連座制の呪縛から逃れ、国ために働かないかと、説得される。
そして、死刑囚を中心としたガラの悪い31名が新しい人生に胸を膨らませ、シルミドへと上陸する。
上陸方法から、生死のかかった過酷な訓練が描かれ、自分の新たな未来に希望を持つ者だけが、訓練に参加するように言い渡される。
そして、全員が決意したところで、任務の目標が伝えられた。
それが「北朝鮮の金日成首相暗殺計画」だった。
684部隊の過酷な訓練の始まり
指導官や現役兵士に比べ体力も筋力も劣る31人は、毎日、現実さながらの任務を想定した環境の中で、体力・筋力・根性を鍛え、痛みや辛さに耐えて頑張りぬく日々が続く。
強靭な身体を作るため、肉料理をはじめ、ご飯はしっかりと与えられた。
北朝鮮工作員は、青瓦台の襲撃を失敗したが、韓国側はその報復を成功させるため、それ以上の入念な作戦と完璧な刺客を送り込む必要があったからだ。
万が一、捕まってしまった場合の自決を覚悟することや、実際に拷問を行ない耐え抜く訓練も行われた。
どんな状況でも生き残り、任務を全うできるように、素潜り、高所移動、銃や爆撃攻めなど、危険な訓練は続き、その際、死亡者も出た。
その結果、団結力も高まり、強靭な特殊工作員として立派に成長し、ある日、決行日が発表された。
684特攻隊がいよいよ金日成首相暗殺計画を決行!
決行日が明日と聞き、この任務を必ず成功させれば、いよいよ明るい未来が開けるときー。
そして、過酷な訓練も終わりを告げる。
みんなは、希望で浮足経つ心境の中、振舞酒が配られた。
684部隊が賑やかに騒ぐ中、ケガにより出兵できない仲間の一人が、「必ず、生きて帰ってきてほしい!」という言葉を発した。
その瞬間、みんなは興醒めし、「死」と隣合わせな難しい任務であったことを思い出し、一転、場の雰囲気が凍り付いた暗いムードに包まれる。
その晩、まるで彼らの未来に暗雲が立ち込めるように、嵐の中、決行式が行われる。
金日成首相暗殺計画を成功すれば、南北統一となる重責を担う教育隊長は、鍛え上げた特攻隊を誇らしげに称え、檄を飛ばした。
そして、684特攻隊は、小さな手漕ぎボートに乗り込み、勢いよく嵐の海に出ていき、敬礼で見送られた。
その時、急報が届く。
『金日成首相暗殺計画中止命令』だった。
教育隊長らは、急いで、684特攻隊の後を追い、作戦の中止を伝えるが、受け入れられず、前に進もうとする彼らに銃を浴びせ、出発を阻止した。
待遇の変化
何とか連れ戻された684部隊だが、中止の理由も分からず、食事も量が減らされ、待遇が日増しに悪くなっていき始めた。
教育隊長は、国の機関に、中止の理由や、再決行の可能性を問いただしたが、確かな返事はもらえなかった。
一方、684部隊のメンバーは、訓練も気が乗らなくなり、不真面目な態度となる。
精神的ストレスがたまり、一部は、真夜中に抜け出し、他の島に強姦しに行ってしまい、1人はその場で刺殺、もう一人は見せしめとなり、連帯責任による684部隊全員が叩刑となった後、
敵国の「赤い旗」の歌を唄い始め、仲間によって叩き殺される。
中央情報部が作った秘密の684部隊。その当時の責任者である中央情報部長が変わったことで、責任と今後の684部隊の扱いにも、変化がどんどん起こっていたのだ。
空軍に正式に入れてあげて欲しいと上の責任者を説得する教育隊長に対し、新しい中央情報部長は、旧時代の遺物である殺人部隊を早く処理して欲しいと言う。
「ベトナム戦に派遣すれば、十分活躍できる」と交渉をする教育隊長だが、684部隊の存在が世の中の明るみになることを、避けたい意向であることを伝え、改めて「抹殺」を命令する。
頑なに拒否する教育隊長に、「拒否すれば、指導教官や教育隊長を含めた全員の抹殺」まで考える意向を示し、684部隊の存続を諦めさせる。
シルミドに戻った教育隊長は、イキイキと活動している684部隊の姿を目の当たりにした。
彼らを、全員、射殺しないといけないと思うと、胸が痛む。
そんな中、カン・インチャンの持っていた母親の写真が見つかり、破り捨てられる。
先行き不透明な環境の中で、不満だけが募る。
実尾島脱出
684部隊の抹殺を命じられた教育隊長は、二曹の部下二人に相談し、二人の出す意見に結論を合わせたいと言う。
1人は、自分たちも抹殺されるなら、自分たちで684部隊を抹殺しようという積極的な意見と、もう一人は、情があり最精鋭な兵に育った彼らを殺すなんてできない!と、反発した。
教育隊長は、そのやり取りを、わざとカン・インチャンに聞かせ、684部隊にも対策を取れるチャンスを与えた。
結局、抹殺に反対した二曹は、最後の交渉に行くように出張を命じられ、島を出た。
その出張中に、今晩殺されると悟った684部隊は、脱出計画を同時に図る。
金日成首相暗殺のために、最強に育てられた人間兵器としての手腕を、こんな形で役立てることになる。
教官兵よりも、先に動き出し、声をあげる暇もないほどのスピードで、見張りの兵を殺し、施設を爆破する。
そして、カン・インチャンは教育隊長のところへ行くと、教育隊長は目の前で自殺を図った。
それぞれ、担当教育官と684部隊は、情が深まっているペアもあり、それぞれが躊躇しながら、お互いを撃ち合う。
そんな中、自分たちの抹殺に意欲的だった二曹を追い詰めた時、684部隊は、このシルミドに来た時から、住民票は抹消されており、金日成首相暗殺に成功していても輝かしい未来があったわけではなかったことを知らされ、ショックを受ける。
そして、カン・インチャンは、自分たちにできる最後の手段として、大統領に訴えに行こう!と、言い出す。
武装共産ゲリラ?
シルミドを脱出し、バスをハイジャックした。
大統領官邸まで行くように、運転手に命令し、乗客らを見張るメンバー。
ラジオを付けると、自分たちは「武装共産ゲリラ」として、気を付けるようにニュースが流れていた。
途中の道で待ち伏せる軍の兵士と銃撃戦を交えながら、ソウルを目指す。
あまりな仕打ちの中、仲間の一人が死ぬと、もう韓国の歌は思い出せないと、北朝鮮の象徴ともいえる「赤い旗」を合唱する684部隊。
ついに、ソウルで韓国部隊を引き殺してまで前を進めなくなったカン・インチャンは、バスを止めさせ囲まれる。
銃撃戦によりみんな重傷を負い、これ以上戦えそうにない状態となった。
そんな時、みんなを生かす交渉のため出張に行っていた二曹がみんなを助けようと現場に到着し、慌てて車から降りた際に、土産に買って帰ると約束してたお菓子を道路に落とす。
その光景に、二曹の情の深さが伝わってくる。
バスの中では、身動き取れなくなった684部隊のメンバーが、名前を失っていた自分たちだが、ちゃんと一人一人親からもらった名前があることを強調するように、
1人ずつ名前を呼びながら、血で自分の名前を書き記した。
最後に、バスに乗っていた人質を解放すると、手りゅう弾を目の前に投げ、自爆する。
しかし、実際には、4人ほど生き残ったメンバーもいたようだが、後日改めて、ひっそりと死刑されたといいます。
そして、30年もの間封印され、遺族は、行方不明の家族を、その間も、待ち続けていたと言います。
封印されていた情報のうち明らかされていない内容も多くあったため、この映画の作成時は、推測などで脚色された点も多々あります。
特に、684部隊のメンバーは、死刑囚ではなく、貧し人にお金や地位をちらつかせ勧誘したのではないかということが、後から、明らかにされました。
そして、バスハイジャックの後、684部隊生存者が、ひっそりと死刑にされ、4人の遺体が、人知れず処分されました。
この映画「シルミド」の公開をきっかけに国民が動き出し、政府が真実を少しずつ明らかにしていきました。
2023年5月8日付のニュースによると、韓国で1971年に起きた「実尾島(シルミド)事件」に関連し、軍当局が実尾島部隊の工作員4人の遺骨発掘に乗り出すと、公表しました。
工作員らが「ソウル交戦」で死刑執行・暗葬されてから51年が過ぎてからの進展となります。
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