韓国ドラマ「客主~商売の神~」の概要
韓国ドラマ「客主~商売の神~」の演出・脚本・視聴率など
【話数】全41話
【原作】韓国の歴史大河小説『客主』(キム・ジュヨン執筆、1979年ソウル新聞に長期連載掲載)
【演出】キム・ジョンソン/代表作「広開土大王」「大祚栄」「太祖王建」「王と妃」、キム・ドンフィ/代表作「ノクドゥ伝 花に降る月明り」「サム、マイウェイ~恋の一発逆転!~」
【脚本】チョン・ソンヒ/代表作「百済の王 クンチョゴワン」「幻の王女チャミョンゴ」「ファッション70s」「ナインルーム」、イ・ハンホ/代表作「花火の中で」「ムン・ヒ~復讐に見せられた女」
【制作】KBS2 2015年9月から2016年2月
【最高視聴率】13.0%
【受賞】
☆2015年末のKBS演技大賞3冠で、中編ドラマ部門の優秀演技賞をチャン・ヒョクとキム・ミンジョンがそれぞれ受賞、ベストカップル賞をチャン・ヒョク&ハン・チェアが受賞!
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韓国ドラマ「客主~商売の神~」主なキャストと代表作
俳優・女優(役名) | 過去の出演ドラマ・映画 |
★チャン・ヒョク (チョン・ボンサム役) 「千(チョン)家客主」の跡取り息子 |
・「シークレット・ファミリー」 ・「輝くか、狂うか」 ・「運命のように君を愛してる」 ・「根の深い木 -世宗大王の誓い-」 ・「ボイス~112の奇跡〜」 ・「推奴」 |
★ハン・チェア (チョ・ソリン役) 趙家客主の主の娘 ソクチュの後妻 後に、ボンサムの妻 |
・「内省的なボス」 |
★キム・ミンジョン (メウォル役) 塩辛商に男装した両班の娘ケトン 後に、国師堂の巫女様 |
・「悪魔判事」 ・「第3病院」 ・「王と妃」 |
★ユ・オソン (キル・ソゲ役) 「チョン家客主」の番頭の息子 |
・「朝鮮ガンマン」 ・「シンイ-信義-」 ・「鉄の王キム・スロ」 ・「キミはロボット」 |
★パク・ウネ (チョン・ソレ役) 「チョン家客主」の娘 ボンサムの姉 後に、ハクチュンの側室 |
・「イ・サン」 ・「宮廷女官チャングムの誓い」 |
★イ・ドクファ (シン・ソクチュ役) 「辛家客主」の客主 六矣廛(ユギジョン)の大行首 |
・「わずか1000ウォンの弁護士」 ・「大祚榮 テジョヨン」 ・「千秋太后」 ・「花たちの戦い -宮廷残酷史-」 ・「輝くか、狂うか」 |
★キム・ギュチョル (キム・ボヒョン役) ハクチュンの腹違いの弟で両班 宣恵庁の高官 後に京畿道の長官 |
・「軍師リュ・ソンリョン」 ・「広開土太王」 |
★ムン・ガヨン (ウォル役) ソリンにお付きの小間使い。 |
・「リンク:ふたりのシンパシー」 ・「偉大な誘惑者」 ・「一人で踊るワルツ」 ・「その男の記憶法」 ・「女神降臨」 |
韓国ドラマ「客主~商売の神~」あらすじ
19世紀末。チョン家客主の一行は行商の旅を続けていた。
ところが、狡猾な両替客主のハクチュン(キム・ハクチョル)の陰謀に巻き込まれ、一行を率いるオス(キム・スンス)は命を落としてしまう。
チョン家の行商権は巨商ソクチュ(イ・ドクファ)の手に渡ってしまった。娘のソレは復讐心を抱いて妓女となり、息子のボンサムは天涯孤独の身となった。
10年後。ボンサム(チャン・ヒョク)は牛商人のソンジュン(キム・ミョンス)に商売を教わり、次第に頭角を現していく。
姉のソレ(パク・ウネ)は父の仇を討つため妓女となってハクチュンに近づいていた。その一方、ボンサムの幼なじみだったソゲ(ユ・オソン)はソクチュのもとで商才を発揮。
朝鮮一の商人になるべく野心をたぎらせ、やがてボンサムの前に立ちはだかる。
韓国ドラマ「客主~商売の神~」視聴した感想・見どころ
キム・ジョンソン、キム・ドンフィが演出!
韓国ドラマ「広開土大王」「大祚栄」などを手掛けたキム・ジョンソンと、「ノクドゥ伝 花に降る月明り」「サム、マイウェイ~恋の一発逆転!~」のキム・ドンフィの二人が演出を手掛けた作品。
ドラマの出演者には、端役に至るまで、「広開土大王」「大祚栄」のキャスト(※主演者を除き)総出演?というほど、韓国時代劇で顔なじみの俳優が多く登場していました。
今回、主演が「輝くか、狂うか」で人気の高いチャン・ヒョクということもあり、期待値は高かったのですが、残念ながら、キム・ジョンソンやチャン・ヒョクの良さや魅力、面白さを十分に引き出した内容ではなかったように思います。
韓流ファンには、物足りない内容と言えるかもしれません。
しかし、韓国では豪華俳優陣が出演し、また、原作も、そもそも過去に新聞に連載されていた長編小説ということもあり、ストーリーの知名度は高く、楽しみにしていた人も多くいたのかもしれません。
高視聴率で、KBS演技大賞3冠のほか、多くの賞を受賞しています。
韓国ドラマ「客主~商売の神~」の見どころ
孤独な行商人から“朝鮮一の商いの神”と言われるまで商売を極め、上り詰めた男(チョン・ボンサム)の波乱万丈な生涯を描いたサクセスストーリーのドラマになります。
開城では誠実な客主チョン・オスとして有名な千家客主の跡取り息子として生まれたチョン・ボンサムは、幼少時は、行商人という仕事が好きではありませんでしたが、
客主の主である父親は、番頭の息子キル・ソゲを守るため濡れ衣を着たまま処刑されてしまいます。
そのため千家客主は潰れ、家族や働き手は離散して、天涯孤独となったボンサムは、父親は犯罪者だったと信じこんだまま大人に成長していきます。
幼少時、幸せな時は、行商人になることを嫌っていたボンサムも、生きるために、行商人となり、いつしか、千家客主を再興するという夢を抱いていきます。
ところが、商いの道はいばらの道、権力、資金力、後ろ盾などがなければ、貧しさからは抜け出せない世の中が現実でした。
そのうえ、”商売の王”と崇められている六矣廛(ユギジョン)の大行首シン・ソクチュの後妻と相思相愛となり、妊娠までさせてしまったので、命が危険になるような事件に何度も巻き込まれていきます。
それでも、誠実で商売にプライドをかけていた亡き父のチョン・オスにの名に恥じないように、ボンサムも、ズルくて汚い商売ではなく、正道により、六矣廛(ユギジョン)の大行首に挑みます。
多くの危険に晒され、愛する家族や仲間を失い、挫折を繰り返しながら、父親が目指していたような思いやりと信頼を大事にした客主を目指して「商売とは?」を試行錯誤しながら成長していきます。
残酷な場面をはじめ、違和感を感じる場面が多い
画面に映るわけではありませんが、様々な場面で身体の一部を切り取って罪を償わせるというのが多かったように思います。
命を取らず、身体の一部を切り取ることで、復讐心を残し、その後、敵のような存在として現れる役作りになっています。
その切り取る場所が、他のドラマには見ないような部位なため、面白さよりも不快感を感じます。
また、ボンサムが、ずっと探していた離れ離れの姉を、姉と知らずに、ボンサム自身の手で殺させようとします。
ドラマ的には、偶然、姉は助けてもらうことになりますが、これらのような場面にも不快感が残り、キム・ジョンソンらしからぬ演出やストーリー展開に、期待外れな感じがありますね。
そのほかにも、両班の娘に巫女のチカラがあると、父親に生き埋めをされてしまうケトン。
「不妊症により、自分の血を継いだ我が子を期待できないのなら・・・」と、正妻とボンサムを引き合わせ、借胎をするという描き方も、日本のドラマを含め、あまり見たことがありません。
実際に、韓国では、これらのシナリオがどのように評価されたのかは不明ですが、現在の倫理観からは、かなり外れていて、ドラマとは言え、気持ちが受け入れられませんでした。
日本では、このドラマについて悪評が多いのは、このようなストーリー設定にも原因があるのかもしれません。
「商道」がテーマ
韓国の時代劇には、行商人や商売で大儲けをして両班と肩を並べるくらい威張っている商人が登場することが多くあります。
身分差別による人に対しての扱いが酷い中、権力を持てなければ、資金力が対抗できるというのはお決まりのパターン。
その大儲けで道を切り開いたり、多くの貧しい民の生活を救うために、どんな商売をすべきなのか、
様々な違法取引、荒手の商売、詐欺まがいの商売、信用取引の商売、独占販売による影響、みんながやりたがらない事に注目して大金を稼ぐ、仕入ればかりでなく生産することで安定供給を目指す、低価格商品の裏に隠された来年度の価格の高騰、時代による輸送手段の変化など、
時代劇であっても、現代にも通用する商売に関する考え方が多く盛り込まれています。
商売にスポットをあてたドラマなので、経済や商売の歴史に興味のある方は、楽しめるかもしれません。
キム・ミンジョン演じた国師堂の巫女・真霊君は実在人物!
女優キム・ミンジョンが演じたケトンは、ドラマ後半、国師堂の巫女様となり、第6代王高宗の王妃である「閔妃」の信頼を得て、「真霊君」の名をもらいますが、
「真霊君」は、実在人物になります。
ただし、ボンサムに恋したドラマのキャラクターとは異なり、
実際には、この当時の閔妃は巫堂ノリという呪術儀式に熱中し、国庫の6倍以上にあたる金額の国費をお布施に浪費。
役人たちが賄賂を贈ってその多額の出費を補っていたようですが、この「客主」のドラマでは、六矣廛(ユギジョン)の大行首シン・ソクチュが、国庫の莫大な資産の収入源を悪徳商法で支えていたかのように描かれました。
閔妃は、特に真霊君に入れ込んだため、「影の実力者」である真霊君に賄賂を渡したり、親戚だと主張するものまで現れたというほどの存在だったようです。
このような巫女様のラブロマンスが、ドロドロした三角関係の愛憎劇となっており、韓国では、このような愛憎・復讐劇ジャンルの現代劇の視聴率が高いことから、
人気や話題を呼んだのかもしれません。
感想のまとめ
このドラマは、サクセスストーリーとしてPRされていますが、多くの登場人物が、最終的に、成功した後、落ち目まで描かれています。
見終わった後、スッキリ感はあまり感じません。
どちらかと言えば、ドラマジャンルに、復讐や愛憎ドロドロ劇がお好きな方に、おすすめです。
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